ある男の災難と彼女の幸せ
啓介がクルマは何よりも大好きなのは知ってる。
私とクルマどっちが大切なの?なんて悲劇ぶった女が言いそうなことも言わない。でもね…
「デートの日に赤城で明け方まで走って寝てたらしいけど、こっちは約束の時間から2時間待ったのよ!途中電話しても電地切れて家まで行ったらなんて言ったと思う?」
「いや…知らないな」
「「忘れてた」ですって!別に走るのはいいけど私の大切な2時間を返してほしいわ」
「(胃が痛い…)それをどうしてオレに言うんだ?啓介に直接言えばいいだろう?」
「忠浩…あんた幼なじみでしょ?たまには可愛い幼なじみの愚痴くらい聞いてよね」
啓介にデートをすっぽかれた翌日、私はファミレスで忠浩に愚痴を聞いてもらっていた。
それもこれも付き合ってるカレシ啓介のせいだ。
意地っ張りな私とワイルドであまり素直じゃない彼。忠浩の紹介で付き合って最初の頃は幸せだった。だけど付き合ってくうちにどんどん性格の不一致が実感してきて私も我慢の限界だ。
「…もう別れたほうがいいのかなぁ」
「させねーよ!」
ポツリと呟くと突然後ろから今聞きたくない声が聞こえた。忠浩を睨みつけると顔色が悪い。
そして啓介は私の手を掴むとファミレスの外へと連れ出した。
「なまえ、昨日のことは謝る、オレが悪かった。だから別れるなんて言うなよ…」
珍しい…啓介から謝るなんて。
その声は切実で許してしまいそうになる。でも…
「ダメ、許さない」
「なまえ…」
「これからはちゃんと約束は守る、ケイタイの電池は切らさない…それから今から私とデートしてくれたら許す」
「なまえ…サンキュ」
啓介は思いっきり私を抱きしめる。なんだかんだいって私は啓介が大好きだから許しちゃうかもしれない。
「(やれやれ啓介に無理矢理脅されて場所教えたけど正解だったかな。それにしても…オレって一体…)」
私達は忠浩を忘れてデートに行ったが1番の被害者は忠浩かもしれない。

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ちひろ様
このたびはキリバンを踏んでくださりありがとうございます!
小説が遅くなり申し訳ありません!!
一応甘甘に書いたんですが啓介は難しい;;
ちひろ様のみお持ち帰り自由です。
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