灰色の未来
永遠なんてどこにもないのよ。
だからこそ望むのよ。
年に一度の砂嵐に出くわした。島全体を覆うかのように、砂が舞っている。
「うわぁ。町中が灰色じゃぁ」
窓を叩く砂嵐。
埋もれる町並み。
灰色の世界。
「このまま砂嵐が止まんかったら、」
そこまで言って、口をつぐんだ。
後に続く言葉を予測するのは容易い。
容易に答えにたどり着いたルッチは、呆れたように言った。
「じきに止むだろ」
窓の外を眺めたまま、そうじゃねと答えた。
このまま町中が砂嵐に呑まれてしまえば。
叶わないと知っていながら、そこに永遠を望んだ。
END