目覚めたはいいが今が一体何時なのかまるでわからない。
時計は随分と昔に壊れてしまった。そもそも昼しかない世界では時間など無意味なのだ。
それでも人間はある概念の上で生活をしている。時間もそのひとつなのだろう。
ぼんやりとカーテンを眺めていると、音も立てずに開かれた。

「あ」
「あ?」

揺れるカーテンを背に、男はこちらを見つめている。

「なんじゃ、起きとったんか」

決まり悪そうに入ってきた侵入者。
その存在で今が真夜中だと知った。






眠らない真夜中



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