第一章3


Homesick Street

2015/05/23

第三話



ホグワーツに着くと、グリフィンドールの寮監であるマクゴナガル先生が組み分けをすると説明していた。私と言えば「試験」と言う言葉に怯える訳でもなく、ただどの寮に入るのかと考えていた。両親がスリザリンだから、私もスリザリンに入るのだろうか。
スリザリンの事は良く知らないし、偉大な魔法使いが多いと親は言っていたけど。ただなんとなく、嫌だなと思った。
淡々と呼ばれる名前と、高々と叫ばれる寮名に、段々と足が震えてくる。

「シャルロット・シィーラ!」

ロンもハリーもハーマイオニーも、グリフィンドールに入った。彼は、ドラコは案の定スリザリンで、私の名前が呼ばれると視線を寄越した。その視線を振り切って、静かに椅子に座った。案外高い。高い椅子だと足が揺れて、震えが体にまで伝わった。
ゆっくりと被せられる帽子に、私は息を飲んだ。頭に帽子が完全に乗せられると、頭の中に響くように帽子が唸った。

「ふむ、シィーラ家の子か。両親はスリザリン、美しく強い精神もある。勇気に溢れ……君はこれまた難しい」
「叶うなら、スリザリンにしないで」
「本当に?両親と同じ道を辿らないのかい」
「変わりたいの、変えたいの。お願い」
「よろしい、君の勇気を称えよう」

小声で呟いている言葉は、きっと生徒や先生には聞こえていないだろう。呟きながら薄めを開けて見えたのは、嫌な笑みを浮かべているマルフォイだった。
ゆっくりと息を吐いて、帽子の声を待つ。そして、必死で呟いた言葉に帽子は答えてくれた。

「グリフィンドール!」

その声が頭に響いた瞬間、私の中で何かが弾ける音がした。
帽子を外された私に、歓声と拍手の音が届く。高い椅子を降りて、私はもう一度帽子を見た。すると帽子は口角を上げて笑うと、しっかりとした声音で言った。

「この学校なら、変われるさ」
「……ありがとう、覚えておくわ」



「」








「ついて来いよ、ポッター!」
「駄目よ、ハリー!」
「ハリー、挑発に乗ったら駄目」



「マルフォイ!やめなさい!」
「ほーら、ポッター?シャルロットが見てる。恥をかかせてやるさ!」



「ハリー!」
「シャルロット、悪かったよ、でも……」
「ううん、かっこ良かったわ」
「そ、そうかな」



「マルフォイ」
「何だいシャルロット?ああ、この後ポッターは退学だ。そうしたら君はグリフィンドールに入ったのを後悔するだろうね」
「最低」
「最低?僕が?君は少し感性がズレているんじゃないのか?」
「……そうかもね」



「」
「」

















Next4/1

戻る



- 4 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -