■落乱/油屋の少年/パロ 千も千尋も出て来ないけれど、舞台はあの世界でパロディをしてみたい。 生まれた時から、油屋に来るまでの記憶がありません。気が付いたら油屋の天辺の奥の部屋にいて、名前を与えられた時からしか記憶がないのです。 下働きとして雇われて、レンさんという人に教えて貰いながら、何年も何年も働きました。苦しいこともあったけれど、それよりずっと楽しいことがありました。 ここでの記憶しかありません。 ですから、雑巾の水を捨てるために、桶を持って歩いていた自分と目が合った瞬間、自分の前までやって来て、ぎゅうと抱きしめて泣きじゃくっている、この黒髪の方のことも知りません。 まったくの初対面なのです。ですから兄役殿、床が汚れたのは自分のせいではないと思います。 ……から始まるパロディ。 忍術学園でいた頃から、主人公を慕っていた五年生の話。 天女様が落っこちてきて、主人公から離れていたら、六年生だった主人公が消えていた。どこへ?人に忘れられた××は消える。忍術学園にしか、もう、彼を慕ってくれる人は居なかった。主人公は、世間に忘れ去られた××だった。 人としての生を終えてから、ようやく同じ世界に立った。人でない者として、彼等は元来優秀だったので、頭角も現せた。けれど、何年も前に居なくなったという、主人公の席は空いたまま。忘れられた××でも、誰にも代えられない地位だった。 探して探して、探して。 ようやく見付けたけれど。名前をもう忘れ去って、記憶もなく、力もほとんど無くなっていた。帰り道なんて分からない。 帰ってきて下さいと泣いても、油屋の記憶しかないから、帰るなんて分からない。 思い出して下さいと泣いても、貴方達は、八百万の神様の中の一握り。 名前を返せと雇い主に言っても、それはこの世界の掟。破ることは出来ないし、破ってしまえば会うことも叶わない。 主人公は従業員、自分達はお客様。主人公の方が地位が上なのに、彼がこうなったのは、ある意味自分達のせいなのに。 紆余曲折。最後に記憶が戻るかは五年生の頑張りによる。という話を書く。これは書く。予定。 主人公を見付けるのは久々知。やっと見付けた!と言いながら大泣き。主人公に誰ですか、と言われて泣きが悪化する。 2011/02/18 08:28 ←→ |