拝啓


氷室先輩へ
 お久しぶりですね。お元気ですか?
いきなり手紙だなんてなんだこいつだとか思うかもしれませんがメールじゃ余りにも味気ないと思いまして。色んな感情諸々込められてる気持ち云々しかと読み取ってもらえれば幸いです。あんなに毎日暑かった夏が嘘みたいに特に朝方と夜は冷え込みますね。秋田はもっと寒いかと思います。夜はちゃんと温かい格好で布団と毛布をかぶって寝てくださいね。
 日本では手紙ではまず初めに季節の移ろいだとか情景だとかを書き始めるんですよ。なんでなんでしょうね?私はきっと遠くにいる相手がどんな景色を見ているんだろうとか今どんな環境にいるんだろうとか。そんなことをつい考えてしまうからなんじゃないのかなだなんて思います。それでも四季がある日本特有のものなんでしょうね。
 先輩は毎日どう過ごしていますか? って言ってもきっとバスケの練習の一言かもしれませんね。お疲れ様です。氷室先輩のバスケを長いこと見ていないので寂しい気もします。敦くんは相変わらず我儘ばかりしていませんか? こちらは最近火神くんがテツヤ2号(黒子くんが拾ってきたわんこです。すごく可愛いので今度会ったとき紹介しますね)のお散歩をする光景が微笑ましいです。2号は小さいわんこなのですが火神くんはかなり怖がっていていつも黒子くんにからかわれています。氷室先輩はわんこ平気ですよね? 先輩が何かに怖がるところはあまり想像出来ないですけど。
 えっと、最後になりましたが、お誕生日おめでとうございます。ちゃんと手元に残る私の字で伝えたかったのでお手紙を送らせてもらいました。
 氷室先輩に会えたこと、氷室先輩が生まれてきてくれたことがほんとうにうれしいです。

次にまた会えるのを楽しみにしてます。



「何をしとんじゃ、氷室」
「どうせまたラブレターだろ」
「なっ!?」
「あー、はい。そうですね」
「なぜじゃあああああああああああああああ(逃走)」
「……」
「……」
「で、なんでそんなにご機嫌なんだよ」
「特別なので」
「あ、そう」
「ところで福井先輩」
「ん?」
「今から東京行って来てもいいですか」




本当は今すぐ会いたいくらい寂しいです。

                白河ゆずき



氷室先輩はぴば!
氷室兄さん文通とかしそうだなーとか秋田か、寒いなーとか
日本の文化に興味津々な氷室兄さんかわゆす



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