▼新メニュー閃いた

「ナマエ、怒らないから正直に言え」
「……ばれちゃいました?」
「当たり前だろう」
「マリクさんの今日の夕食にする予定だった鯛茶漬けのご飯だけ盗んだとか、香水のフタをギリギリまで緩めてじわじわ中身が漏れ出すように仕掛けたとか、その他色々やっちゃいましたけど許してくれるなら良かったです」
「は……?」
「そういう訳なので、今日のマリクさんの晩御飯はお茶に鯛の切り身を突っ込んだ新感覚スープってことでいいですか? ご飯足りないんですよー」
「(“教官は産まれたときからあの顔”というナマエの話をソフィが信じてしまった事について聞きに来たのだが、それとは別に話を聞く必要がありそうだ)」


▼トランプ

「マリクさんマリクさん」
「なんだ、またトランプか」
「よくわかりましたね! もしかして私の事好きだったりします?」
「(長いこと一緒に旅をしてると嫌でも行動パターンが分かるようになってしまうな)」
「普通のルールには飽きたので、ババを入れないでババ抜きしましょう。これぞ真のババ抜きですね」
「うまいこと言ったつもりなんだろうが、それでは勝敗がわからないぞ」
「じゃあなにします? マリクさんの選んだカードがヒューバートの眼鏡に挟まってる、というマジックやってあげてもいいですよ」
「もっと普通の遊び方があるだろう」
「わかりました。ではこのトランプでウノをしましょう」
「トランプじゃないのか」


▼食べられないパン

「ここで問題です。パンはパンでも食べられないパンは?」
「フライパン、だな」
「残念! 正解は“貧しい生活をしている少年が道端に一切れのパンが落ちているのを見つけた。このパンを持って帰れば弟に食べさせてあげられるが、自分もずっと何も食べていないから空腹だった。弟の為に我慢するのか、何事もなかったかのように自分の口へ入れるのか。天使と悪魔の間で葛藤する少年の手に握られた一切れのパン”でした」
「悪いな、途中から聞いてなかった」
「マリクさん付き合い悪いですね」
「出来ることなら付き合いたくないがな」
「そんなことよりさっきシェリアがパン焼いてくれたんですけど、マリクさんの分私が食べちゃったんですよ」
「それがナマエにとっての“食べられないパン”にはならなかったのか?」


091222
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