▼AM 0:02 ラント家執務室

「あけおめアスベル」
「あれ、もう日付変わったのか」
「貴重な年越しの瞬間を書類整理で過ごしてしまうとは残念だね」
「まあ……瞬間って言ったって特に何をするでもないし」
「これだから真面目君は駄目なんだよ」
「じゃあ具体的に何をすればいいんだ?」
「日付が変わる瞬間にジャンプしてみるとか」
「なるほど。ナマエはそれをやったのか?」
「うん、アスベルん家の庭で縄跳びしてたら年越した」
「人の敷地で何してるんだよ」
「アスベルも息抜きにやる?」
「そんなことより窓からじゃなくて玄関から入ってきてくれないか」


▼AM 6:47 裏山の花畑

「あけおめソフィ!」
「あけ、おめ……?」
「新年の挨拶のことだよ。動詞にするとあけおめる、ラ行四段活用ね」
「? よくわかんないけど、あけおめナマエ」
「そういえばここから初日の出が見れるねー」
「日の出……昔アスベルとリチャードと見たことある」
「時にソフィ。なんで太陽が昇ってくるか知ってる?」
「わからない……なんで?」
「ストラタの大統領さんが毎朝太陽を持ち上げてるんだよ」
「そうなの!?」
「時々ヒューバートも手伝ってるらしいよ」
「すごい……!」


▼AM 10:21 バロニア広場

「あけましておめで鯛茶漬け。マリクさんまたアイスキャンディー食べてるんですか」
「今日は特別だ、お年玉がわりに一本おごってやるぞ?」
「簡単に済ませやがりましたね」
「どうせお年玉目当てで来たんだろう」
「そんな、ひどい! マリクさんに会いたくて遠路はるばるやってきたのに!」
「はいはい、ほら食え」
「私はアイスキャンディー一本で買える安い女じゃないですよ」
「新年早々面倒だな」


100102
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -