西部地方は未だに未開拓地が目立ち、砂漠が多い。
しばし眼球に砂が刺さるという惨事に見舞われつつ、サニア村に到着した。

以前は王都軍に大打撃を受けたというサニア村。
しかし現在では、前時代的ながらも立派な村がそこにあった。

だけど何ということだろう。
この村には、旅人用の宿屋が無いらしい。

私が途方にくれていると、乗馬の帰りだという村長の娘さんが自宅に案内してくれた。
口の悪いお姉さんだったがとても優しい。
夕飯時には、巨大なチキンの丸焼きとチーズスープを振舞ってくれた。

私はチーズが少し苦手なのだが、このスープは絶品だった。
もちろんチキンの丸焼きも美味しく、村長一家の温かいもてなしもあって私はこの上なく満たされた夜を過ごすことが出来た。

前時代だとか、失礼な感想を抱いてしまって申し訳ない。
案外ヒトの幸せは、こういった場所にあるのかもしれないとすら思う。
…ここまで言いすぎかな。私、まだ若いのに年寄り臭かったかも。

何はともあれ、これで世界各国は回りつくした。
そろそろ新しい家も完成しているだろうか。
サニア村の村長一家を見て家族も恋しくなったし、アシハラに帰ろうかな。
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