テノスは一面の銀世界で、とんでもなく寒かった。
ガルポスから直に来るのは無謀だったと思い知った。
…途中で燃料切れに陥り、グリゴリの島で段階を踏めてよかった。

そして世界一の技術大国というだけあって、テノスはすごい。
なにせ飛行船…だっけ?空を飛ぶ機械があるのだ。
そのうちレグヌムやガラムにも普及できたら、と出会ったお姉さんが言っていた。

お姉さんは元々ナーオスの人らしく、訳在ってテノスに滞在しているのだという。
恋人かとニヤニヤしながら尋ねたら、真っ赤になって否定された。
可愛いお姉さんだ。

流れで彼女と夕食を採っていたら、金髪の上品なお兄さんがやってきた。
お姉さんとは大分親しいようで、彼らの会話はとても面白い。
再びお姉さんに恋人かと尋ねたら、若干マジな様子で否定された。
怖いお姉さんだ。

更に流れで「人の嫌がることはしてはいけない」と説教を食らったんだけど…説教、超長い。隣のお兄さんが酔いつぶれてぶっ倒れるほど聞かされた。
ナーオスの人って、絶対教会関係者だろう。そうだろう。

しばらくテノスに滞在した。
宿屋の「満員だからカマクラに泊まって」という発現には度肝を抜かれたものの、いい体験が出来たと思う。ただ、ちょっぴり孤独な気分になったけれど。

次の目的地は、未だ行ったことのない西部にしようと思う。
金髪のお兄さんが飛行船に乗せてくれると言ってくれたが、私は高いところが大嫌いなので遠慮させてもらった。墜落とかしたらマジで死ぬ。

温かい人たちに別れを告げ、私は寒い国から旅立った。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -