テノス行きの船は、突然の燃料不足に見舞われた。
仕方が無いので中間地点の島に上陸する。
燃料の積み込みには三日ほどかかるらしい…災難だが、それは別にいい。

問題はこの『島』だ。
なんか住んでる人たち、メッチャ怖い。
肌浅黒いし、手足異常に長いし、ヘンなお面をつけている。

他の乗客と共に震えていると、島で唯一普通そうなおじさんが応対してくれた。

けれど、このおじさんもメッチャ怖い。
肌青白いし、そのくせ全身真っ黒いし、ヘンな傷が額にある。

他の乗客と共に震えながら彼についていくと、食事を振舞ってくれた。
質素な食事ではあったが、とても美味しかった。
聞けば肌の青白いおじさんが作ってくれたらしい。
美味しいです、と素直に言うと、なんとうっすらと微笑んでくれた。

人は外見によらないらしい。
燃料が積み込まれるまでの三日間、私たちは本当に良くしてもらった。
出発の直前には寂しくなって泣きそうになったくらいだ。

乗客一同で不思議な島に別れを告げ、船はテノスへ向けて出発した。
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