海面が低くなり、アシハラの街も大分広くなった。
お蔭で両親が昔住んでいたという家に入ることが出来るようになり、大々的な修繕を終えれば問題なく住みなおせるのだそうだ。
これでワンルームの掘っ立て小屋とはおさらばだね。やった。

話は変わるけれど。

今日から私は旅に出ようと思う。
己の見聞を広めるため、世界を周ってみたいのだ。
決して、家が完成するまでの暇つぶしではない。

父には反対されたが、母には賛成してもらった。
一晩かけて母が父を説き伏せ、少々のお小遣いまで頂いてしまった。
良い母に恵まれ、幸せである。

私はその日のうちにジロチョウ様へ挨拶をし、土地神様への挨拶を済ませた。
なんでも最近まで放置状態だった祠らしいけど…まあいいや。
こういうのって形式だしね。

何はともあれ、私は旅に出る。
旅の間はこの日記を書き続ける予定だけれど、良いことで埋まればいいと思う。

期待と大量の荷物を抱え、私はレグヌム行きの船へ飛び乗った。
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