想像するだに


私の話題と、アニスの話題がひと段落した頃でした。
不覚にも楽しげな雰囲気で、楽しく談笑してしまったことを表記します。

つまり、ルークを憎悪する彼が見たら。
あの馬鹿野郎、勝手にいなくなったと思ったら何してやがるんだ、と。
かなり本気で怒る状況を作っていたことを、表記します。

一瞬でした。
上空から飛来した彼は、ルークをふっ飛ばして。
倒れたルークに向かって剣を振り上げ、振り下ろしました。

鈍い金属音が響き渡ります。
彼、アッシュの振り下ろした剣は、突如現れたヴァン謡将が受け止めています。

「退け、アッシュ!私はお前にこんな命令を下した覚えはないぞ!」

アッシュの表情は、窺えません。
だけどきっとひどく悔しげであろうことは分かります。
ヴァンの命令。タルタロスでも疑問に思いましたが、何なんでしょうね。

アッシュは舌打ちと同時に身を引きました。
一瞬だけ私に目を向けた気もしますが、きっと気のせいでしょう。
そういうことにしておいて下さい。
合流した時に何を言われるか、分かったものじゃありません。
想像するだに、恐ろしい。

「ルーク。今の避け方は無様だったな」
「ヴァン師匠っ!」

ヴァンがルークに向ける態度は、いかにも頼もしい師といった風貌です。
あのルークが一瞬で従順とすら呼べる態度になりましたよ。
やっぱり只者じゃないです。

ルークはヴァンの元へ走りますが、彼よりも早く行動した人物がおりました。
ティアです。
彼女は武器を構え、物騒な剣幕で彼に迫りました。

「ティア、武器を収めなさい。お前は誤解をしているのだ」
「誤解…?」

ティアの態度が軟化します。簡単すぎるでしょう、流石に。
この場にいるグランツ兄妹以外の全員が状況を把握できていません。
とりあえず、場所を移ったようがよさそうです。

一番困惑してるの、見張りの兵士さんでしょうから。

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