思い入れがあった


初めてディストに感謝しました。

タルタロスはかなりの高さがあるので、
地面に落ちるまでそれなりの時間がありました。

その時間の間に、長杖をいじって、
あの研究室を出てから初めて、飛行モードに切り替えました。
勿論制御が利かなくて、私をぶら下げたまま森に突っ込みましたけれど。
落下の衝撃で少々意識を失いましたけれど。

あの場所から地面に叩きつけられる事態は、回避できました。

満足に視えていない状態でこの行動はかなり凄いんじゃないでしょうか。
薄暗い森の中で、掌で目を押さえます。
どうやら極度の光で一時的に視えないだけのようですね。
失明とかしてたら笑えません。
とりあえずは、安心です。

服が若干焦げていますが、まあ問題ないでしょう。
問題あるのは、髪のほうですね。

今まで一切描写していませんでしたが、私の髪は短くありませんでした。
深くは言いません。短くなかった、それだけです。
その毛先付近が、綺麗に焦げていました。
これはもう…どうしようもない。
思い入れがあったわけでは、ありませんけれど…

仕方ありません。
一応持ってはいる、この支給品のナイフ。
お仕事の時間ですよー。

鏡がないのでテキトーにやるしかないですね。
鏡がないのでどうなっているか全くわからないのですが、
きっと見事な散切り頭になっていることでしょう。
切り口の髪が、首に触れる程度になりました。
頭、すっげー軽いです。

さて。
まずは現在位置の把握から始めましょうか。
所持品も心もとないですし、早いところ上司と合流したいものです。


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