仕事となれば


どうも、こんにちは。
適当な船室で掃除をサボっていたら怒られたユノです。

だって廊下はひどい臭いだし、甲板にいたら働かないとですし。
こんだけ頑張ったんです。休んだっていいじゃないですか。

しかし怒られてしまったので。
渋々仕事中です。

まだ多少臭いは残っているものの、
兵たちの労働でそれなりに見えるようになった廊下。
こんな場所の警備なんてサボりも同然ですよね。
アリエッタに感謝です。

ええ、感謝してたんですよ。
さっきまでは。

「まだ私に働けっていうんですか?随分じゃないですか」

杖を肩に担いで、生存者改め脱走者を見据えます。
ルークとティアは動揺していますが、ジェイドは違いますね。
封印術が効いているとの噂なのに、凄い度胸です。

「駄目ですよ。おとなしくしていないと」
「…ユノ、お願い。もうやめて…貴女とは、戦いたくないわ」
「それは無理なお願いですよ?ティア」

彼女とは、第六師団解体後も度々顔を合わせたものです。
だけど私は完璧主義なので。
言われた仕事は完璧にこなすのが、主義なので。

「私は仕事となれば、誰だって殺しちゃいますよ」

そう言って、後ろに跳ね退きます。
ティアと会話している間、ジェイドは棒立ちしていたんじゃありません。
弱体化してはいますが、それなりの威力を持った譜術が、
先程私の立っていた場所で炸裂していました。

ジェイドがティアに何事か囁き。
彼女が杖を構えました。割り切った様子です。
後ろのルークとは、段違いですね。

三対一。
戦う気がなくとも、頭数には入れます。
動かない程度に殺して、牢屋に戻しておきましょう。


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