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こんにちはっ、アニスちゃんです!
大佐もイオン様もやったっていうし、語り部乗っ取りやっちゃいまーす!
では皆様ご清聴ください!
*
「ありがとうございます、アニス」
今から一週間くらい前。
ユノと大佐を降ろした後のアルビオールでの会話です。
両手をぎゅっと握りながら、消えそうな笑顔でお礼を言うイオン様に、
私は笑顔で…白々しい笑顔で、応えました。
「いいんですよ。だってユノがいたら邪魔なのってほんとだし」
「…そうですか。そうですね」
最近こそ一生懸命だったけど、普段のユノは本当にひどい。
仕事には完璧主義との自称通り、一度請けた仕事は最後までやるんだけど、
その仕事を請けるっていう行動から悉く逃げるんだよね。
ダアトも広いから。
サボリにいいポイントっていうのは結構あるんだけど…
そういうのを全部確認するのはかなり重労働なんだよね。
変なところで要領いいんだもんなぁ。
だけど。
イオン様は、ユノのことが大好きなんだと思う。
最初はわかんなかった。
私が導師守護役になってから、
ユノとイオン様が話してるのなんて一度も見たことなかったし。
『イオンくん』とか。『ユノちゃん』とか。
何事!?っていうか、本当に訳わかんなくて意味わかんなかった。
何故そこまでユノを評価するのか、わかんなかった。
それがわかったのが、地核。
シンクと話して、シンクが死んだ、地核。
遅いよね。遅すぎる。…我ながら情けないよ。
あの場所でイオン様がレプリカだって知ったとき、全部わかった。
ユノの"イオン様"が目の前のイオン様じゃないって知った時、やっとわかった。
イオン様は、ユノに認めてほしかったんだって。
どうしてアリエッタを選ばなかったのかは、私にはわからないけど。
とにかくイオン様はユノが大好きで、認めてほしくて。
自分を見てほしくて。
そんなまっすぐな思いだけで、あの人を見てた。
私にできるのは、今だけユノを遠ざけることだけ。
荒れてしまった教団を見せずに。建て直す時の無様な教団を見せずに。
建て直した後の、清廉な教団だけを見せて。
イオンくんすごいって、思わせることだけ。
「アニス?」
イオン様の声に、はっと我に帰った。
外はダアト。既に着陸している……って、はうあっ!!
「い、いつの間にっ!?」
「おいおい…ジェイドがいたらボロクソに言われてるぞ」
ルークのあきれ返った声を無視して、搭乗口に躍り出る。
そしてイオン様へ、手を伸ばした。
「帰りましょう、イオン様!」
「…ええ!」
ユノにも言ったけど、もう一度。
イオン様の導師守護役は、この最年少エリートアニスちゃんだから!
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