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僕が貴女について教えられた情報は、決して少なくありませんでした。

いつ出会ったか。どうやって出会ったか。
導師守護役に任命するまでの経緯や、一緒にこなした仕事。

貴女とイオンの足跡は、
とても二年や三年とは思えないほどに多く存在していました。

だけどやはり僕はイオンではないから、物語でも聞いている気分だったんです。
可笑しいですか?
…そうですか。そうですね、貴女ならそう言ってくれると思ってました。
すみません。意地悪なことを言ってしまいました。

ユノちゃん。
正直に言うと、僕は貴女が好きです。
大好きです。

い、いえ。異性への気持ちというのはよくわかりませんが、
多分違う…と思います。ルーク達へ抱く仲間意識とも違いますね。
こう言っては貴女に失礼かもしれませんが、親愛とでも表現すべき好意です。

被験者イオンが貴女に抱いていた好意がどういった形なのか、
僕は知ることができないけれど。
だけどこの気持ちは、紛れもなく僕自身のものだと断言できます。

*

恩義の話に戻りましょう。
実は僕、出会ったその場で貴女に殺されると思っていました。

…ふふ、そうですね。
だけどその気持ちは今も変わっていないんです。
僕は貴女にいつ殺されてもおかしくないと思っています。今、この瞬間も。

口ではなんと言っても、貴女は被験者のイオンを愛している。
その愛がどういった形なのかも、僕は知りません。
敬愛、親愛、恋愛。愛にも色々あると教わりましたから。
…いえ、これはヴァンやモースではありません。アニスにです。

気持ち悪い?駄目ですよ、そんなことを言っては。
帰ってきたアニスに密告しますよ?きっと怒られるでしょうね。

ともかく。
…こう話を変えるの、ユノちゃんの癖ですよね。少し真似してみました。

僕が貴女へ感じる恩義は。

僕を受け入れてくれて、ありがとう。
僕を殺さないでいてくれて、ありがとう。
僕を僕としてくれて、ありがとう。

しつこいかもしれませんが、もう一度言わせてください。

ありがとうございます、ユノちゃん。

大好きです、ずっと。

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