見せてあげます


結論から言いましょう。
ぶっ飛ばされました。全力で。

咄嗟に防御はしたものの、見事にぶっ飛びました。
あれ、杖で緩衝しなかったら頭割れてましたよねってくらい、飛びました。

容赦なさすぎです。第五師団長。

「言い訳は?」

正座の私、仁王立ちのシンク、おろおろするアリエッタ。
一般兵は必死に目を逸らして火の粉がかからないよう勤めています。

まったく。何をそんなに怒っているんでしょうか。
ちょっと味方巻き込みながら魔物殲滅しただけじゃないですか。
生まれて2年にもなってない男の子にぶっ飛ばされるなんてプライドが許しませんよ。
ユノ・リーランド。
プライドの高さには、やや自信があったりします。

「ありません」

そしてその崩れやすさには、結構というか相当自信があったりもします。
いや、だって殴られるのも蹴られるのも嫌ですし…!

「ごめんなさい」

謝っとけば始末書とか書かなくてよくなりますかねえ。
シンクは、はっ、と鼻で笑って、こう言いました。

「アンタさ、配属先。楽しみにしててよね」

*

それから数週間が経過致しました。
私は心に決めています。
次にあのクソガキを見たら、地獄を見せてあげます。

「どうですかユノ!この私の素晴らしい技術を伝授するのですから、
 あなたも遠くない未来に歴史に名を残すことができるかもしれませんよ!」
「わぁ、すごぉい」
「凄いでしょう、凄いでしょう!もっと褒めなさい讃えなさい!」

よりにもよって第二師団かよっっ!!!
うっぜええええええディスト師団長うぜええええええええええ!!
ふざけんなクソガキいい加減にしろクソガキ勘弁してくださいクソガキ!

「私の知識を理解できるなんて…あなた、なかなかやりますね」

やめて。気に入らないで。私を開放して。


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