嫌な仕事


場所は変わり、神託の盾本部。
数ある妨害なんのそので、辿り着きました最深部。

昇進儀式の真っ最中だったライナーは、
ルークに拘束され、ジェイドに槍を突きつけられている私を見るなり
驚愕に目を剥きました。…ええ、当然ですよね。ライナーは善人ですし。

「リーランドさんっ!?どうしたんです、その状況!?」
「ライナーお願いです何も言わずに飛行譜石を渡してください」
「し、しかしディスト様から肌身離すなと…」
「私の首が離れますっ!!」

さっきから結構切っ先が刺さってるんですよ!

ライナーは目に見えて狼狽します。良心と使命感が戦っているのでしょう。
あー、もう、面倒臭い。
ごめんなさい、ライナー!

「トリニティスパーク!」
「ぎゃぁあっ!!?」

最高の手加減をした譜術を、ライナーに打ち込みます。ばたりと卒倒する体。
アニスがその懐を漁ると、飛行譜石と思しき石を取り出します。
首筋から離された槍に、ほっと一息つきました。

「嫌な仕事でした」
「…ユノってさ、結構ひどいよな」
「全然嫌そうじゃないしね。清々しそうだし」

ルークやアニスには言われたくありません。
ともかく。
表立って彼らに協力するのは、きっとこれが最後でしょう。
協力というか脅迫されてましたけど。

これ以上は、付き合う義理がありませんからね。

「ありがとな、ユノ」
「…お礼なんかやめてくださいよ。仲間だと思われるでしょう」

六神将がいない現在、私が暴れたことは教団内に知れ渡っていないのです。
こうも堂々と親しげにされるとクビになっちゃいます。
…もう手遅れな気がしなくもないですが。

「幸運を祈ります。頑張ってくださいね」

正直なところ、あまり関心はないのですけれど。

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