徹夜明け


きゃっほーっ!

バチカル港に降り、遠ざかる上司を見送り、早数十分。

闘技場の真上、上流区へ繋がるエレベータのほぼ正面に位置するこの宿。
部屋を取れたのは奇跡的だったと言っても良いでしょう。
ベッドの柔らかさ半端ないです。
ちょっと柔らかすぎる気がしなくもないですが、それはともかく。

久々の開放です。
私を縛るものはなにもない。命令する人間もいない。
なんと素晴らしいことでしょうか!

過労で意識が飛びかけているというか、螺子が外れたというか。
とにかく現在のテンションはほぼMAXです。
例えるならば、徹夜明け。

「ふ、ふふ。ふふふふふふふふふ」

枕に顔を伏せ、突っ伏した状態での笑い。
今この瞬間、部屋を覗いた人物がいたら同情してしまいます。
だけど嬉しいんです。仕方ありません。

皆さんきっと、お忘れでしょうが。

私は労働が大嫌いなのですよ。

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