責められるのは
落下する時に見た白い建造物は、ユリアシティというそうです。
アクゼリュス崩壊に巻き込まれたルーク達が生存しているのなら、
あの場所以外に行くところはないと断言されたため、
現在アッシュを後ろに乗せて飛行中です。
やはり飛行機関がやられているみたいですね。
ユリアシティまでは平気そうですが、その後は使えないでしょう。
これ、便利だったんですけど。残念です。
ディストに言えば直してもらえそうですが、
ヴァンを裏切ってしまった手前、ディストだけに接触するのは難しいですし。
あーあーあー。もう、最悪ですよ。
もう面倒臭いので全部ヴァンのせいにします。
頭痛いのも、飛行機関壊れたのも、アクゼリュスが消えたのも、全部。
オールドラントが丸いのだって全部ヴァンのせいです。
許すまじ、ヴァン。
「…おい、大丈夫か?顔が映像化できないことになってるぞ」
本気で引いた様子の声でした。
以前、ルークにも似たようなこと言われましたね。
レプリカ云々より前に、この二人、かなり似てると思います。
*
ユリアシティの第一印象は"幾何学"です。
一から十までロストテクノロジーによって構築されていて、
現在では修繕することすらできない街なのだとか。
アッシュは博識ですね。感嘆に値します。
どうやらルーク達より早く到着してしまったようで、大変暇な状態です。
わざわざここで待ち伏せなくとも良いと思うのですが…
まあ、演出上の関係とだけ言っておきましょうか。
中に入って茶でもしばいてる時に遭遇したら、言葉が続きませんものね。
どうでもいい話、終了です。
どうやらやっと、到着したようですし。
一同、お葬式のような雰囲気でした。
ジェイドやアニスなどは見るからに機嫌が悪く、ティアと二言三言
言葉を交わしただけで、すたすたと街の内部へ歩き去り。
ガイとナタリア、そしてイオンくんも、彼らに続いていきます。
残されたのはティアとミュウ、そして項垂れるルークだけ。
私の隣にいるアッシュは、無表情の中にひどい憎悪を燃やしている様子です。
「いつまで、そうしているの?皆市長の家に行ったわよ」
諭すようなティアの声。
しかし俯いたルークは碌な反応を見せません。
ご主人様、とミュウのか細い声が聞こえました。
「どうせみんな、俺を責めるばっかなんだ。…行きたくねえ」
淀んだ表情、沈んだ声。
どうやら自分の罪は自覚している様子ですが…まあ、責めるのは仕方ないでしょう。
"殺人者"が責められるのは当然のことです。
そうですよね、アッ……
あれ。いねえ。
「とことん屑だな!出来損ない!!」
いつの間にか前に出て、ルークに詰め寄っている臨時上司。
戸惑うティアの顔を見て、思わず溜息どころか涙が出そうになりました。
私、いつになったら帰れるんですか…?
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