素敵な笑顔


私の予想、大当たりです。

彼女はカンタビレ師団長の指導する擬似実戦授業に参加し。
それの敗北に、納得がいかないというのです。

「変なところで慎重なんですよ。師団長は」

とにかく突撃、とかわざと隙を見せるような真似はするなとか。
そんなことを言っているくせに、一撃受けたら死ぬと思えなんて矛盾してます。
だから嫌いです。あの女。

「…以前の教官は、敵を誘って一撃で仕留めろと言っていたんです」
「以前の教官?誰ですか」

ふと疑問に思ったので尋ねると、彼女は「リグレット教官です」と答えた。
…リグレット?が、以前の教官?
そういえばリグレットは生徒一人のために遠くの街へ出向いて、
直々に個人稽古をつけているとの噂がたっていましたね。
そしてそれが、首席総長の妹、だとか。

まさか。

「あなた、ティア・グランツさんですか」
「え?は、はい。ご存知なんですか」

…まさかっ!!?
「この子があのヒゲの妹っ!?」
あまりの衝撃に立ち上がると、後ろで山になっていたお菓子が
どっさどっさと床に落ちて散らばります。
ティアさんがびっくりしてそれを拾おうと駆け寄った時、
間の悪いことにこの部屋の主がご生還なされました。

「……リーランド?」

わーお。素敵な笑顔ですわね、カンタビレ師団長さま。


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