SS部屋 | ナノ
平和島兄弟とうさみかがプリン食べてるだけ

2010/12/21 21:25

本気でプリン食べてほのぼのしてるだけ


 カスタード、イチゴ、チョコレート、黒ゴマ、牛乳、さまざまなプリンが帝人の目の前に広げられている。
 帝人はごくりと唾を飲み、隣に座る主人と、向かいに座る主人と少し似た顔をしている男を交互に見た。
「…もきゅ」
「ん?ああ、食っていいぞ」
「きゅっ」
 帝人は早速カスタードプリンを手に取り、笑顔を食べる。静雄もチョコレートプリンを取った。向かいに座った男、幽も黒ゴマプリンを取る。
「帝人君、美味しい?」
「もきゅ!」
「そう、それはよかった」
 耳をぴーんと立てながら、プリンを掻き込む。最後の一口まで食べ終えると、じいっと机の上に残ったプリンを見つめる。
「…あと一個だけな」
「きゅーっ」
 帝人は今度は白色のプリンを取る。あむっと勢いよく食べたのだが、少し固まると、静雄の机の前までスス…とずらす。
「美味しくなかった?」
「…むきゅ」
「じゃあこれは食ってやるから違うの食え」
「もきゅ」
 静雄は牛乳プリンを食べながら、少し垂れ下がった帝人の耳をもふもふと触る。
 今度はイチゴプリンを手にし、恐る恐る口にする。これは気に入ったらしく、「きゅ、きゅ」と嬉しそうに鳴き声を漏らす。
「帝人、幽に礼言えよ」
「もきゅっ」
「どう致しまして」
 幽は相変わらずの無表情だが、些細な表情の変化が兄である静雄にはわかる。
 だが、帝人にはわからないらしく、怪訝そうに首を傾げた。
「…あ、じゃあ俺これから仕事だから」
「おう、またこいよ」
「うん、バイバイ、帝人君」
「きゅー」
 優しく頭を撫でられ、白い手にほお擦りをする。若干だが、幽の口端が上がった。
「じゃあ」
 静雄が手を振るのを真似、帝人も同じように手を振った。


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