SS部屋 | ナノ
臨帝

2010/12/12 08:46

 擽ったいモノが肌を伝う感触で目を覚ます。
 眠い瞳を開けば、至近距離に愛しい恋人の姿があり、帝人はくすりと笑みを零す。
「臨也さん…擽ったいです…」
「もうちょっと」
「もー…」
 臨也は帝人の額をぺろりと舐め、最後に仕上げと言わんばかりに口づけた。
 触れるだけのフレンチキスに、帝人はもっとと自ら舌を挿入する。濡れた水音が陽射しがカーテンによって遮られた薄暗い部屋に響く。
「…は、」
「…そろそろ起きようか」
「はい…」
 腰が抜けてしまい、うまく立ち上がることのできない帝人の手を引き、横抱きにする。
「あはは、帝人君勃ってるー」
「…寝起きだからですよ」
「そっか、そういうことにしておいてあげよう」
 人を嘲るような笑みを浮かべ、階段を下りる。もし此処で臨也が脚を滑らせるようなことがあれば、二人で尻をぶつけることになってしまう。帝人はその間は臨也にがっしりと掴まった。
 無事にたどり着き、ソファへと軽い身体を下ろし、隣に臨也も座る。
「朝ご飯何にします?」
「帝人君が食べたいものでいいよ」
「いつも僕が考えてるじゃないですか。たまには臨也さんも考えてください」
「えー、だって帝人君の食べたいものが俺の食べたいものだもん」
「…」
 帝人は思案する。前までは好きな食べ物を言っていたのだが、さすがに食べ飽きた。だからといって違うものを言うにはうまく思い浮かばない。
 臨也はそんな帝人の表情を見、にこっと笑みを浮かべた。
「特にないっていうんだったら、俺が朝ごはんに帝人君をぺろりといっちゃうよ」
「…臨也さんも盛ってるんじゃないですか」
「『も』ってことは帝人君も盛ってるんだ。へえー」
「ち…違います!」
 真っ赤にして返せば、臨也は口元を緩めながら「嘘つき」と軟らかな唇を塞いだ。



たまには甘い臨帝ー
同棲してると思う


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