静帝で腐男子なみーくんZ
2010/12/06 14:23
「おお…」
「わあ、静雄さんかっこいいです!」
「帝人君帝人君、俺は?」
「サイズぴったりですね、さすが僕」
「ちょっと、服の感想じゃなくて俺についての感想聞いてるんだけど」
「竜ヶ峰も可愛い…」
例の漫画のキャラのコスプレだったのだが、帝人の着ているキャラはへそ出しだったので、帝人の細い腰がよく見えた。さらに短パンということもあり、普段は見ない細い太股が晒しだされる。
静雄は無意識のうちに唾をごくりと飲み込んだ。
「臨也さん、カメラお願いします」
「いいけど、次は俺とだよ」
「静雄さん、ポーズとってください」
「ポーズ?」
「こうです!こう!」
帝人の言う通りのポーズをとれば、臨也はぷっと吹き出す。殺意が湧いたが、楽しそうな帝人の興を削いではいけないと堪える。
写真を数枚取ると、今度はしゃがむよう言われる。しゃがみ込むと、背中に少し重みがかかった。
首に帝人の白い腕が回される。
「なッ竜ヶ峰…」
「嫌ですか?」
「嫌じゃねえ、けど…」
近くで帝人の匂いがする。
静雄は自分の心臓の音が帝人に聞こえるんじゃないかというほど、胸を高鳴らす。写真を撮っている間、ずっと同じ表情だった。
「はい、じゃあ次は俺ー」
臨也は静雄にカメラを押し付け、帝人を横抱きにした。突然の行動に静雄は動きを止める。
「臨也さん、なんですかッ!このキャラはクールなんです!こんなことしません!!」
「うん、俺は俺だからね。ほら、クーデレってことにしときなよ」
「もーっ」
「ほら、シズちゃん撮って」
臨也が帝人に顔を近付けると共に静雄の理性は爆発した。臨也の顔面向かって殴り掛かった。クリティカルヒットし、臨也の頬に右ストレートが決まる。
「わっ、静雄さん?!」
「ッ痛、マジありえないし…」
「臨也さん、大丈夫ですか?でも臨也さんのキャラ、今、原作では敵にやられて頬に湿布貼ってるのでちょうどいいですね」
「帝人君酷い…」
救急箱から湿布を取り出し、臨也の頬に貼付ける。静雄は後ろで申し訳なさそうに帝人に向かって謝る。
「俺にごめんなさいはないわけ?」
「あれはお前が悪い」
睨み合っていれば、帝人はクスクスと笑う。
「なんだよ」
「いや、原作では二人のキャラ仲がいいんです。だからなんかギャップっていうか」
「俺とシズちゃんの仲は最悪だから。それは不変の事実だよ」
「それはノミ蟲に同意だ」
真似すんな、と再度睨み合えば、今度は帝人によって止められた。
「ありがとうございました。僕、すごく満足です!」
「そりゃよかった」
「またいつでも呼んでね。あ、勿論シズちゃん無しで」
「それはこっちの科白だ」
「こっちでいいんだっての。じゃあね、帝人君」
「はい、さようなら」
手を大きく振り、静雄から逃げるように走り去っていった。静雄はその背中を睨みつけ、表情を和らげて帝人を見る。
「竜ヶ峰、俺もいつでも呼んでいいからな?」
「ふふっ。はい、またお願いしますね」
小さな頭を撫で、抱きしめたくなるのを堪え、背を向ける。
「じゃあな」
「はい、また」
帰り道、一枚だけ携帯に送ってもらった画像を見る。コスプレした帝人が静雄の背中に乗っている写真だ。
「…俺、変な顔してんな」
小さく笑い、次はいつ訪れようかと考えた。
]までしか記号がないので10までには終わらせたい
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