静帝
2010/12/03 19:50
「…風、きついな」
「そうですね。朝はあんなに暑かったのに」
ぶるりと身を震わせながら首に巻いていたマフラーを一層きつく縛った。
池袋の街は冬だからといって人口が減ることはない。帝人は静雄の後ろを着いて行きながら、静雄の吐く白い息を見つめる。
「…帝人」
「はい?」
「風強いから飛ばされねえか?」
「…静雄さんは僕を一体何だと思ってるんですか?飛ぶ訳ないでしょう」
静雄はちらりと振り返り、照れ臭そうに視線を前へと戻す。
「いや、飛ばされたら大変だからよ。繋がねえかなって…」
何を、かは差し出された手でわかる。
帝人は黙って静雄の手を掴んだ。
「…そうですね。飛ばされたら大変ですもんね」
「…ああ」
──手を繋ぎたいのなら素直にそう言えばいいのに。
今日、風が強い所為で教室の換気扇が吹き飛びました
マジビビった
だが一番怖かったのは西塔さんだろうと思う
落ちた所が目の前だったからねえ…
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