SS部屋 | ナノ
臨帝で学パロ3

2010/11/29 10:50

 屋上のタンク裏で待っていれば、昼休みになると帝人が来てくれるようになった。
 一度、昼休みになるまでずっとサボっていれば、お弁当をくれなかったので、臨也はちゃんと三、四時間目には授業にでている。帝人は臨也のクラスの出席簿をチェックしているらしい。
「帝人君は料理上手だね」
「一人暮らししてるからね。自然と作れるようになるんだよ」
「ふーん、どこに住んでるの?」
「結構近いよ。よかったら、また今度来る?」
「…え?」
「あ、やっぱりさすがにそれはダメかな」
「いやいや嬉しいよ!行く!今日!!」
「今日?!…別にいいけど」
「やった!授業が終わったら迎えに行くから、体育教官室で待ってて」
 臨也は心の中でよし!とガッツポーズをとる。
 住所は知ってたものの、何を口実で知ったのかという説明に困るので行けなかった。一度行っておけば、これから暇だから寄ったなどとイロイロ理由ができる。
 嬉しそうに弁当にがっつけば、帝人はそれを見て柔らかく笑った。


「…此処?」
「うん、此処」
 ボロアパートに、臨也は口を引き攣らせる。
「…ごめん、次から弁当代払う」
「え?ああ、お金がない訳じゃないんだ。だから大丈夫」
 帝人は苦笑を浮かべ、インターホンもない扉の鍵を開ける。そこは、臨也の部屋より狭い部屋だった。
 モノがあまり置いてなく、端に置かれた机の上にある最新型のパソコンだけが別世界に見えた。
「適当に座ってて」
 小型の冷蔵庫を漁っている帝人の後ろから中を覗き込む。食材は一通り入っていた。
「お腹空いたの?何か食べる?」
「帝人君の手料理が食べたいな」
「え?んー、唐揚げでいい?あまり作ったら臨也君が夕食食べられないだろうし」
「別にいいよ。今は帝人君の手料理が食べたい気分だから」
 臨也が微笑みながら言えば、帝人は渋々、鶏肉の他に野菜を取り出す。
「帝人君、俺、ホットケーキ食べたい」
「…また急だね。うちにホットケーキミックスないんだけど」
「わかった。俺が買ってくるから帝人君は唐揚げ作ってて」
 帝人の返事は聞かないまま外へと飛び出す。近くのスーパーへと行き、ホットケーキミックスの他にもアイスやチョコレートソースを買う。スキップをしながら戻ると、鶏肉の香ばしい匂いが鼻を擽る。臨也は口元を緩め、扉を勢いよく開ける。
「ただいま、帝人君!」
「わ、またいっぱい買ったね」
 帝人は臨也の持つビニール袋をみながら苦笑を浮かべる。
──帝人さんのエプロン!可愛い!
 丁度揚げ終わったらしく、キッチンペーパーに唐揚げの余分な油を染み込ませていた。
「うわあ、おいしそう」
「ホットケーキ食べるんだし他はいいよね。唐揚げ食べて待ってて」
 帝人はそう言うと、唐揚げを一つ銜え、臨也の買ってきたものの中からホットケーキミックスを取り出し、他は冷蔵庫や冷凍庫へとしまった。
 帝人が調理している間、臨也はじっと帝人の後ろ姿を見つめた。次第にほんのりと甘い匂いが漂ってくる。
「好きなのを自分でトッピングしてね」
「はーい」
 帝人は再度唐揚げを銜えると、もう一枚作るために簡易な台所へと戻る。冷凍庫から百円のバニラアイスを取り出すと、丸まるホットケーキの上へと落とした。チョコレートソースをぶちまけ、糖尿病の人間が見たら殴りたくなるだろう。
「一枚はちょうだいね」
「うん」
 二枚を焼き終えると、一枚を臨也の皿に乗せる。帝人は冷蔵庫を漁ると、味噌の入ったケースを取り出す。
「え、どうするの?」
「ホットケーキにのせるんだ」
 スプーンで味噌を掻き出し、ホットケーキの上にたっぷりとのせる。
「えぐいよ、それ…」
「臨也君のそれもひどいよ。僕、味噌好きなんだ。ほら、味噌だれ焼鳥とか」
「ふーん…」
 次来るときは味噌だれ焼鳥を買ってこようと決め、次は冷凍庫からチョコアイスを取り出した。


帝人は味噌と白ご飯でもいけそう


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コメント
2010/11/29 17:31 あき
このシリーズ好きですーv
帝人さん家に入れるなんて臨也がうらやましい←
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