臨帝で学パロ1
2010/11/25 21:58
※学パロ
屋上に上ると、冷たい風が容赦なく突き付けられる。臨也はぶるりと身を縮こませ、タンクの裏に座る。
タンクの裏は風が塞がれ、人にも見られないし、休憩には持って来いの場所だ。
持ってきた膝かけで暖をとり、携帯を操作する。チャイムが鳴ったがお構いなしだ。授業に出る気なんてない。臨也はただ、彼を待っているのだ。
ガチャ、と音がし、臨也は耳を澄ませる。「臨也君?」という声に、臨也は口元を緩め、タンク裏から出る。
「遅いよ、帝人君」
「わわっ、そんなとこにいたんだ。ていうか今日も授業をサボるつもり?」
「君との約束通り途中からは出るよ。帝人君も授業出なくていいの?」
「僕は臨時教師だから」
「中学生みたいな顔してねえ」
「それどういう意味」
むっと頬を膨らませる帝人に、臨也はかわいいとその頭を撫でた。
臨也は高校二年生で帝人は教師、二十六歳らしい。こんなにかわいいのに二十六歳だなんて狡いと臨也は考える。
華奢な身体をしているくせに、これで体育教師だなんていうものだから、臨也は初め嘘かと思った。
帝人と出会ったのは臨也がいつも通りに屋上でサボっているとき。一休みしにきた帝人と会った時、臨也はてっきり下級生も屋上にサボりにきたのかと思った。
何度か会ううちに仲良くなり、二時間目まではお喋りに付き合う代わりに臨也が授業に出る、という約束ができた。
臨也は朝が楽しみで仕方がない。帝人と出会ってからは、一度だって学校を休んだことがないのだ。同じクラスの新羅は驚いていた。
帝人は頭がいいから話していて飽きない。もっと話していたいとすら思う。
「僕は一応、君より年上なんだからね」
「はいはい。…あ、そうだ。帝人さん、購買のお姉さんが結婚するから辞めるって話知ってる?」
「え、そうなの?」
臨也は噂好きだから帝人にイロイロな話ができる。帝人も目を輝かせて聞いてくれるのだ。
やっぱり、この空間が好きだなあ、と臨也は無意識のうちに笑みを浮かべる。
──嗚呼、時間が止まればいいのに!
そんなことは実際にあるはずはなく、三時間目に入る前に帝人は去って行く。「ちゃんと約束通り、授業に出るんだよ」という言葉を残して。
仕方なく教室に向かう。授業が始まれば、窓側の席なので運動場が見えた。
──…あ、帝人君。
似合わないジャージにくすりと笑い、臨也はその姿をずっと眺めていた。
なんか思い付いた臨帝
地味に続くと思います(多分ね!
back * next
コメント
*