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臨帝

2010/11/22 07:29

「帝人君てさ、俺のこと好きだよね」
 それは疑問形ではなかった。核心を持った声色。
 帝人は無表情を貫くことでそれをやり過ごす。
「何言ってるんですか。有り得ませんよ」
「えー」
 臨也は肩を上げ、やれやれといった表情をする。
──…ばれているのだろうか。
 帝人は臨也が好きだ。勿論そういう意味で。
 相手は男で人間としては最低なやつだ。帝人自身、どうしてこんなやつを好きになったのかはわからない。
 だから、この恋心は隠すことに決めた。例え相手にばれようと、自分の口から言う気はさらさらない。
 臨也は人差し指を帝人の眉間にあてる。
「帝人君てさ、無表情を貫いてるつもりなんだろうけど、それが逆にわかりやすいんだよ。動揺まるわかり」
「…そうですか」
「ね、俺のこと好きだよね?」
 今回は疑問系だったが、肯定を促すような口ぶりだ。
 帝人は欝陶しそうに臨也の手を払う。
「わ、ひっどーい!太郎さんたら私の手を払うだなんて!甘楽ショック!」
「あはは、うざいですね」
「俺のこと好きなんでしょ」
「だから、」
「好きだよね」
 目が尋常じゃない。一瞬で深紅の瞳が獰猛さを含むものに変わる。
 帝人が息を飲むと、臨也はその眼を隠すようににこりと笑った。
 ぞくぞくと鳥肌ではない、何かが全身を駆け巡るのを感じる。
「帝人君はさ、俺のことを好きじゃないといけないんだ」
「どうしてですか?」
「だって、俺が君のこと好きだからね。君も俺を好きじゃないと」
 不公平じゃない?と言う臨也に、帝人は「そうですね」と淡々とした口調で答えた。
「あ、動揺したね。声が震えてたよ」
「……」


思い付いたので臨帝
帝人受けアンソロ買っちゃいました
やっぱり帝人は可愛いなあ


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