SS部屋 | ナノ
※温泉静帝その三

2010/11/07 21:30

 脱がせる時間ももどかしいと言わんばかりだ。剥ぐように脱がせると、自身の服にも手をかける。いつものバーテン服を脱ぐと、静雄の僅かながらに膨張したそれが見え、帝人は思わず目を逸らした。
「入るぞ」
「は、はい」
 静雄は再度帝人を横抱きにすると、熱い湯に浸かる。そのまま行為を初めてしまいそうな静雄を制し、湯から出る。
「えと、身体洗いますね」
「…どうせすぐ洗うことになるんだから別に」
「僕が洗ってる間にちょっと落ち着いてください!」
「……」
 静雄はじっと帝人を見つめると、諦めたように帝人の隣に座る。
「俺も洗うから、先に洗い終わったら風呂待機な」
「…はい」
 せっかくの露天風呂なのに、全然落ち着けない。普通なら風呂に感嘆の声を上げるところだが、静雄のせいでどきどきして仕方がない。
 静雄は先に洗い終わったらしく、木で出来た浴槽に戻ってじっと帝人を見つめている。
 帝人は肌を設置してあったボディソープで洗い、ちらりと後ろを振り返る。獣のような目をした静雄と目が合い、帝人は前へと視線を戻した。
──静雄さん、落ち着くどころか欲求を積もらせているような…!
「帝人」
「は…はひっ」
「まだか」
「後ちょっとです…」
「……」
──うう、今の静雄さんなら眼力だけで他人を殺せそうだ。
 あまり戻りたくなかったのだが、静雄が我慢しきれずに背後なら襲われるのも嫌なので渋々と浴槽に脚を入れる。
 ちゃぽん、と湯に浸かった白い脚が陽に当たって焼けた手に捕らえられる。そのまま引かれ、静雄の膝の上に乗ることとなった。左太股に当たる硬いモノに帝人は苦笑を浮かべる。
「もういいよな?いや、駄目だなんて言わせねえ」
「言いませんよ。でも、優しくしてくださいね?」
「…頑張る」
 静雄は理性のある状態なら誰もが憧れるような理想の彼氏なのだが、それを失うと本物の獣のように本能に忠実になってしまう。
 初めて静雄と身体を繋げた時も、身体がついていけなくて気絶してしまった。
 静雄はそれを思い出したのか、桶に溜めてあった冷水を自分の頭にかけた。
「し、静雄さ、ン」
 首筋を舐められると静雄の髪に付着した冷水が当たる。帝人が身震いすると、静雄は髪を擦り付けるようにふるふると首を横に振った。
「静雄さん、冷たいです…っ」
「すぐに熱くなる」
「ひゃっ」
 胸の突起に舌を這わせ、歯をたてる。帝人の肌はびくりと揺れ、小さな少年らしい喉仏がごくりと唾を飲み込む姿に妙に情欲がそそられる。
 既にそそり立ったそれに指を這わせ、軽く擦る。「あう…」と零れた声に。静雄はそっと小さな唇に人差し指を当てた。
「帝人、言っとくけどここは露天風呂だから、外に声響くぞ」
「ぁ…ッ」
 静雄の科白にハッとする。ちらりと頭上を見れば、微かに夕日色に染まった空が見える。
 帝人が数回首を横に振れば、静雄は帝人の顔を押さえ、静雄の肩の上に乗せた。
「声、我慢できねえんだったら俺の肩噛んでろ。俺は別に痛くねえからよ」
 ナカへと挿入された指に、帝人はかぷっと静雄の筋肉質な肌に噛み付いた。ぐりぐりと指を掻き回せば、帝人はぷはっと静雄から口を離す。
「ナカ…ッ水、水が入っちゃいます…!」
「後で俺の出すんだから、一緒だ」
 帝人は尚更力強く静雄に抱き着く。爪を立てたが、静雄には大して痛みはなく、寧ろ帝人の爪の方が心配だった。
「だから噛んでろって。爪はやめとけ」
「は…はいっ」
 むぐむぐと声を堪えていた帝人だが、感じる処に静雄の指が触れた瞬間、悲鳴のような声を発した。
 声は多少抑えたようで、外には響かなかったようだ。
「ん、此処だな。帝人、堪えろよ」
「ひゃっ、あひぃ…」
「しょうがねえな…」
 挿れている方とは逆の手で帝人の口を押さえる。何故か行為を無理矢理強いているような気分になり、静雄は早く済ませようと指の数を増やす。三本が入るようになった所で引き抜き、己の高ぶる凶器を宛がった。
「帝人…、挿れるぞ?いいな?」
 帝人は返事を口にする代わりに、首を何度も縦に振る。静雄はそれを見ると、横にしていた帝人の身体を浴槽の縁と向かい合うようにし、それに後ろから乗り掛かる体勢にした。
 まるで動物の交尾みたいだと小さく苦笑し、宛がったそれを挿入した。帝人の呼吸を落ち着かせるために、口元を押さえていた手を離し、ゆっくり深呼吸させる。
「大丈夫か?」
「まだ…、ちょっと…」
「無理しなくていいから、しっかり息しろよ」
「はい…」
 背中を撫で、うなじにキスをする。啄むように口づければ、帝人は振り向き、恥ずかしそうに目を細める。
「どうした?」
「別に、何もないです…」
「じゃあ、奥まで挿れていいか?」
「…はい」
 消え入りそうな声を聞き取り、身体をより帝人へと近付ける。奥まで入れば、静雄は満足げに口元を緩めた。
「ん…、全部入ったぞ」
「静雄さ、気持ちいい…?」
「ああ、当然だ。すげえいい」
「よかった…」
 奥を一度突けば、帝人は「ひゃあうっ」と悲鳴を零す。静雄が名を囁けば、帝人は自分の口を塞ぐ。
 湯が揺れるのを気にせずに腰を動かせば、抑え切れない喘ぎ声が帝人の唇から漏れる。それを聞きながら、静雄はほう、と息を吐く。
「しず…静雄さん…ッ」
「もうイくか?」
「お湯、の、なか…、出しちゃだめ…!汚れちゃ…ッ」
 帝人の科白に、静雄はぴたりと動きを止める。ここまで風呂の心配をするのかと思うが、帝人の真面目な性格がそれは許さないのだろう。
 静雄は立ち上がると、シャワー近くまで挿入した状態で帝人を運び、そこに腰を下ろす。歩いた時の振動で帝人のそれからは先走りが溢れ出ていた。
 帝人の脚を上げ、静雄と向かい合う体勢にした。帝人の紅潮した頬に、静雄も頬を赤くする。
「此処ならいいか?」
 返事の代わりに静雄の首に腕を回す。それを肯定ととり、腰を激しく動かした。
 帝人は濃い白濁を互いの腹にぶちまける。搾り出すような締め付けに、静雄は唇を噛み締めナカへと熱を吐き出した。
「…ッは」
 余韻に身を落ち着かせていれば、帝人がくしゅんと一つくしゃみをする。静雄は慌ててナカから自身を抜き、白濁を掻き出す。
 ぐったりとしている帝人の身体を支え、シャワーで帝人の白濁をと汗を洗い流した。
 脱衣所で帝人をタオルに包み、片手で引っ張り出した布団の上に寝かせる。



心が折れながらも書いたよ!
なんか裏書けたら満足


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