SS部屋 | ナノ
※静帝続き(最初から

2010/10/26 08:06

「やあ、帝人君」
「…ッ臨也さん」
 これから静雄と逢う約束をしており、帝人が鼻歌を歌いながらアパート出てすぐに臨也捕まった。なんで此処にいるんだとかツッコミたくなったが、また碌でもないことを考えてのことだろうと聞かないことにした。自分の部屋に押し戻され、意味がわからなくてハテナマークを浮かべていると、臨也は帝人の表情にニヤリと笑った。
「さて、今から此処にシズちゃんが来るんだ」
「え?」
「俺がメールで呼び出したから」
 そんなことをする意味がわからない。自ら静雄さんに殴られるのかと首を傾げて見ていれば、臨也はくすくすと笑いながら帝人の服の襟をぐいっと引っ張った。
「ぅわっ…痛ッ」
「これは俺からのプレゼント」
「え?な、何…」
 首筋を噛まれ、反射的に臨也を突き放せば心底愉快そうに笑っていた。何がそんなに楽しんだろう。アパートの階段を勢いよく上がる音が聞こえ、臨也は「思ったより速いなあ」と言って窓から飛び降りて行った。
 一瞬のことで唖然としていると、部屋の扉がひとりでに開いた。そちらへと視線を向ければ息を荒くしている静雄。
「静雄さん、大丈夫ですか…?」
「それ、はこっちの科白…だ!臨也の馬鹿に何かされて…」
 急に静雄の科白が詰まったのでどうしたのかと顔を覗き込めば、身体が宙に浮いて目を見開く。
「静雄さん…?」
「…それ」
「え?」
「それ、なんだよ」
「それ…?」
 静雄が首筋に指を添わせ、背筋にゾクゾクとしたものが走り肩を跳ねさせると、静雄の眉間に皺が一層寄る。
――この場所って、確かさっき臨也さんが…。…ってあの人もしかしてキスマークを付けたんじゃない、よね…?
「臨也か」
「えと、…はい」
 歪められた顔に、どうしたものかと俯くと、顎を掴まれ顔を上げさせられる。静雄が視界に入ったと思えば目いっぱいに静雄で埋め尽くされた。
 唇に噛み付くようにキスをされ、呼吸も儘ならない。酸素を取り込もうと口を開けば生暖かい舌が入り込んでくる。逃げるように引っ込ませた舌を絡み取られ、頭が酸素不足でぐるぐるして意味がわからなくなる。
「しず…おさ…」
「臨也に何された」
「首、噛まれた…」
「それだけか?」
 いつもの静雄とは違い、臨也を挟んでの静雄は肉食獣を思わせるようで、怖くてこくこくと首を縦に振ると、静雄は帝人の首筋に噛み付いた。
 変な音がして、痛みがずくずくと溢れ出してくる。
「ヤ…静雄さん…ッ」
「臨也は良くて俺は駄目なのか?」
「違っ…痛ッ、痛いです…!」
 脚をじたばたとさせれば、浮いていた身体は床に落ち、静雄が上に覆いかぶさる。静雄が帝人の首に埋めていた顔を上げ、口づけをすれば血の味がした。
 ずきずきと痛みを持ち熱くなる首に、ああ血が出たんだと客観的に理解する自分がいて、帝人は少し怖くなった。
 服を紙のようにビリビリと引き裂かれ、意味がないと心得ている抵抗をする。
「静雄さんッ、落ち着いてください!」
「…るせェ」
「静雄さん…っ」
「好きなやつが他の男に手を出されて黙っていられる訳ねーだろ!」
「…ッ」
 喜ぶべきなのか哀しむべきなのか。好き、と言ってもらえることは嬉しい。だが、その苛立ちを恋人にぶつけるのはよろしくない。
――どうせなら臨也さんをフルボッコしてくれたほうが平和なのに!
 この際全ては臨也の性なので可哀相だなんて思わない。
「し、ずおさん!」
 下も破られ、身体を隠すものが一切なくなる。
「ヤっ、いやです!」
「るせェ」
「ひゃううっ」
 自身を掴まれ、情けない声が出る。
 静雄はそれに気をよくし、手を上下に動かしだした。ただ、帝人を絶頂に向かわせるだけの行為。
 自慰とは違う容赦ない快感に、生理的な涙が零れる。
「あ…っあっ、やらっ」
「呂律、回ってねえぞ」
 静雄は心底楽しそうに帝人のを擦る。尖端を攻めればそこから白濁が飛び散る。帝人の身体も痙攣を起こし、孤に反った。
 帝人の尖端から垂れる白濁に舌を這わせる。
「ひっんん…」
「帝人は可愛いな。…次は俺のを挿れてやる」
 その科白とともに、静雄のチャックが下り、膨張した自身が現れる。達したばかりとはいえ、帝人の二回りは大きい。
 帝人の脚を持ち上げ、静雄の膝の上に座らせる。
「え、え…?」
「お仕置きなんだから慣らしちゃ駄目だよな」
 自身を挿れようとしている静雄に、帝人は顔から血の気を引かせる。
「待…ッうああっ」
「チッ…狭い」
 理不尽な舌打ちをしながら、もっと奥へ奥へと腰を進めようとする。帝人の体重を借りても静雄のそれは大きく、鉄のニオイが広がる。
「切れたな…」
「やだ…しずおさん…」
「…あー、泣くな。無理に動いたりしねえから」
 静雄の大きな掌が帝人の頭を撫でれば、少しは落ち着いてくる。


もう無理ここまで


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コメント
2010/10/26 13:40 奈倉
シズちゃん鬼畜ッ!!
帝人君が可哀想(笑)

やっぱり、静帝は萌えます
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