幸福論 幸せすぎてこわいって言うじゃないですか。幸せすぎて、これ以上の幸福がないことに絶望し、ここからは不幸になるだけだと嘆く。幸せになればなるほど自分から不幸になっていく人間だと思うのです関口くんは 逆に自分がいかに幸せかは知ってるし幸福感もあるんだけど、何かが決定的に違う。本当の幸福はこんなものではない、って人を辞めた先の幸福に憧れを抱く中禅寺さんもいい。 旦那は多分、真っ当な幸せで満足できる人。榎さんはむしろ幸福かどうかなんて考えない。気にしない。そういうふうに常に十字路みたいに別の方向を向いてるのに仲良しなおっさん組 魍魎ラストの「幸せになるのは簡単〜人を辞めてしまえばいいのさ」って台詞が、中禅寺さんが人でなし=人を辞めた人の幸福に羨望を抱き、憧れていることを示唆しているとしたら私は泣いてしまう。 私は決して幸福になどなれぬのだと嘆く関口に、ならば人を辞めようかと誘いをかける中禅寺。求める幸福は君と共にあってこそと。だが関口はそれを断り、人として、人のままで幸せとなりたいと言う。私はまだ人ではないから、人を辞められぬと言う。人を辞めたい男と人になりたい男。 [*前] | [次#] ← |