どこか人を寄せ付けないような雰囲気を放つ彼に自分が想いを寄せていると自覚したのはつい最近だけど、気付いてしまうとそれは辛いもので。

今日もスタジアムへ行った。私はブレーダーでもなければ選手の友達でもない、一人のただのベイバトルファンに過ぎない。遠くから試合を見て楽しんでいただけの筈が、今は近付きたい、と、その距離に胸が苦しくなった。
あ、好き、なんだ。分かってからは観戦に集中出来なくて、視線が長い銀髪を探してさ迷っている事実。
「翼!」
他の選手が彼に話しかけに行っているのを見かけて、ドキリとして思わず立ち止まった。彼はいくらか会話をするとふと笑った。格好よくてつい、その場から逃げた。積極性に欠ける自分に嫌気が差す。私もベイ、はじめてみようかな。

そしたら自信がつくかもしれないと、淡い希望を見ていた。

こっちを向いて笑いかけてくれたらどんなに幸せだろう。

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