ずっとこの人の傍にいる。決めた矢先に再び翼は旅立つと言う。また、待ちぼうけだ。彼は自由に飛び回るべきで、私は彼を縛ることはできない。ついて行っても邪魔になるだけだと分かっているから、笑顔で、笑顔で。
「どうしたの?」
翼の顔を見るとどうしたって辛くなる。ようやく少し春の暖かさが訪れて、日差しが気持ちいい。伏し目がちに翼は私の手を取る。見上げれば咲き始めた桜。
「ずっと一緒にいる」
「…翼、」
「お前と」
そっと握っていた手を引かれ、彼の胸に寄りかかった。

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