「チーユンー」
「は、離せ」
「んー」
あったかいー、なんて言いながら回された腕に体が硬直する。彼女はいつもこうなのだ。意味もなく部屋に来ては床に座ったチーユンに後ろから抱きつく。まるで人形か小さい妹弟にするようなそれだが、チーユンにとっては違うのが問題である。以前は人前でも平気で飛びついてきた彼女から逃げていたが、それを学習してか今はこうなのだ。そうまでして抱きつきたいのか。と考えれば嬉しい話だが、いつだって彼女の口から出る言葉は「可愛い」だ。チーユンの身にもなってほしいものだ。確かに皆より年下で、故に身長も低いとはいえ、男であると理解してはくれないのか。
「ああもう、大好き」
ぎゅうと幸せそうな顔で言われた。ラチェルタが手から滑り落ち音を立てる。



「なまえ!チーユン見なかったね?」
「なんか、動かなくなっちゃって…」


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