「好き、です」
私は一世一代の告白をした。お相手は中国でもチャラいことで定評のある彼。私のかねてからの好きな人で、特別私が、なんてことはなかったから笑い飛ばされるのを覚悟でここへ来た、のだが。
「…まじ?」
予想していかなったチャウシンの驚いたような顔に、少し困った。笑って誤魔化してくれればこちらも振られても気が楽だというのに。
「てか…俺も、好きっつーか…」
「…冗談なら言わなくて、い、…」
言葉を発しながら顔を上げた私は目を見開いて彼を見る。つい、口を閉めるのも忘れてしまった。
「…んだよ」
「あ、いや…」
あろうことかあのチャウシンが照れて頬を掻いている。信じられなくて穴が空くほど見詰めていたらイラッとしたように上から返される。まさかこんな表情を見られるなんて。思わず私も顔が熱くなる。
「…俺、だっせえ」
いつもなら口が上手くて調子の良い彼が目の前で顔をそらしている。その事実に胸が焦げる。絶対、演技じゃない。そう感じるから、嬉しい。
「じゃーキスしてよ」
「ばっかじゃねーの!」
「なんだ…嘘か」
「違っ…他とは訳が違うっつうの」
茶化せば焦るチャウシンに、笑顔が零れた。

「あいつらに言うなよ」
「…何を?」
「だから、なまえ。あん時はちょっと調子悪かったっつーかまじで俺じゃないんだってほら、だから」
「うーん、考えとく」


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