落ち込んだかと思ったらハイテンションで戻って、かれこれ数時間。
「トビオは死んだ!」
「…もう何十回も聞いたよ、トビオ」
「だからオレはトビオじゃなくてデスカプリ様だっての」
「知らないよ、トビオはトビオでトビオだからトビオだもん」
「…名前言い過ぎだぜ」
こいつ聞き分けないなみたいな顔されて苛つく。こちらとしては、死んだとかまあ本人なんだけど言われると悲しくなるから止めてほしい。なんだか私の恋を否定されてるみたいで嫌。
「で?なんで私ん家来たの?デスカプリ様」
1つ溜め息を零してから、わざとらしくそう聞く。
「よく聞いてくれた!オレはまず最初に重要な獲物を捕獲するためここに来た」
あーあー、楽しそうに話し出した。…ん?獲物?
「ここに?私ベイやってないし」
「いや、なまえ」
「は?」
「なまえ」
どうやら私がその獲物とやらで、手首を掴まれている。
「最強デスカプリ様と行動を共に出来ることを喜ばしく思えよ」
上から目線で言い切ると、本当に上から目線でこちらを見た。…。だんまりということは、どうやら一応私の返事を待っているみたいだ。それならはっきり答えるまでだ。
「私はトビオが好きなので、行けません」



唖然とした顔と、口から落ちた飴。汚いなーなんて思っていたら抱き締められていた。



「トビオは蘇った!」
「知るか」
私は嬉しそうに笑うソイツが、どうも好きらしい。

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