「のう、なまえ」
流太郎はいつも綺麗に笑う。私の名前を呼んで、私が振り返ればふわりと柔らかく笑う。施された化粧の朱が余りに似合う。私は見とれて、また、嫉妬もする。
「…可愛いのう」
私は照れて茹で蛸みたいで、流太郎の細めた目はやけに艶美。狡いよね。
「流太郎、大好き」
「我も同じく」
白い指先が、掌が頬を撫でる。私もその白い頬に触れる。じわ、と、熱が伝わってきて、愛しい。口の端をなぞるとまた優しく微笑むから、私は目が離せない。きっとそれは魔術に違いない。吸い込まれそう。

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