温かい日溜まりに微睡む。旅の途中氷魔を待って休んでいた木の下で、いつの間にか眠りについた。
「なまえ」
聞き慣れた声に意識がフワッと戻った。反面、眠気に襲われている私の瞼は下りたまま。
「起きませんか?」
夢?現実?漂う意識はどちらとも判断ができず、いい夢なんだと眠り続けることにした。氷魔が夢で囁いてるなんていい日だ。お昼寝して良かった!
「仕方ないですね」
何かに日の光が遮られて、閉じた瞼は陰になったことで反応する。ちょっと、いい夢見てるのに…。ふわり唇の柔らかい感触。目を開ければ氷魔がいた。
「置いて行きますよ?」
驚いた顔で真っ赤になる私をよそに、氷魔は爽やかに笑って立ち上がる。歩き出した彼に置いていかれないように、寝ぼけたままで追いかけた。背中を見て、自然と笑みが零れた。



今日は、いい日!

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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