コーヒーの香りが鼻をつく。誘われるように目が覚めて、その元へ。疲れた体がやけに重い。俺はソファーへドカッと腰をおろした。
「おはよ、キョウヤさん」
コトリ、なまえはフワリと笑って俺の前のテーブルにカップを置く。その腕を不意に引けば、一瞬吃驚した顔が見えて、
「ん…」
唇を寄せる。軽く挨拶代わりのつもりだったが、どうにも離せずに次第に深く。苦しそうに身を捩るから顔を離してやると、困ったように照れる。食べてしまいたい。
「おはよう、なまえ」



彼女とのキスはシュガーとミルクがたっぷりなコーヒー

カップに口付けるとそのブラックがやけに心地良い味がした。

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