「おい、待ちやがれ!」
試合が終わったら何故か自分が泣いていることに気付いて歓声が響く中、外へ走った。あんなに人がいたらバレないだろうと思っていたのに。
「待てって!」
片手にベイを握ったまま、走ってきたキョウヤさんは反対の手で私の腕を掴んだ。顔を見たらまた涙が出そうで、私は振り向かず俯いた。はあ、とキョウヤさんが息をついた。
「なんで逃げんだよ」
イライラしたような声がかかる。私は顔を擦って笑って振り返った。
「おめでと、キョウヤさん」
「…ざけんな」
抱きしめられていた。無理して笑ったのに、止めてよ。
「何があったか知らねえが、」
力が強くて息が苦しい。
「なまえは笑ってろ」



きっと私は一番幸せ者。

「…うん」

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