「三和くん?」
「うん」
窓の外を眺めていたら後ろから不意に抱き締められる。
「学校ではやめてってば…」
恥ずかしいから、そう言って身を捩る。三和くんは弛めるどころかむしろ体重を沈めてきて、窓の桟に肘を掛けていなければ立っていられなかっただろう。
「なまえさ、櫂のこと見てたよな」
肩にもたれかかった頭を起こして彼。確かに見ていたけれど、私が捜していたのはいつもその横にいる人物であって。
「今日は櫂くんと一緒に帰らないの?」
「嫉妬?」
「どっちが?」
「今日はなまえと帰ろうと思ってさ」
「そっか」
三和くんを見ようと首を傾げ、後ろから乗り出した彼に口付けられる。校庭を横切っていた櫂くんが振り返り、とてもウザそうな顔をした、気がする。

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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