「参りました…」
「仕方ないことだ!気にするな!」
だっはっはと笑う彼は森川。私の彼氏。放課後カードキャピタルに直行して早速の私たちのファイトの勝者は手を腰に当てて勝利に酔っている。井崎くんや周りの哀れんだり呆れた眼差しに気づいていない。私が井崎くんを負かせる程度の実力を所持しているのを知らないのは彼だけである。
「手を抜いても天才は隠しきれないもんだな」
「本当最強だよねカツミ」
ニコッと笑う私に向けられた周りの視線も結構痛いものだが、どうだっていい。おうおうとはにかみながら森川は私の頭をポンポンと叩く。
「よおし!今日は特別に俺様が奢ってやろう!」
「やった!カツミ様愛してる!」
主導権を握っている森川はご機嫌な様子。もちろん手綱を引くのは私で、こうなるように回しているのだけれど。ふんぞり返る森川の腕を取って、満面の笑みで手を振って店を後にする。怖いとか言われているようだけど、私は森川が好きなだけ。好きなら、いいでしょ?

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -