『その時、銀河がですね、』
「うん」
氷魔との電話は憂鬱な空も気分も吹き飛ばしてくれる感じがして好き。優しく語りかけるような口調がとても安心できる。家がそんなに離れている訳ではないけど、雨音をBGMに静かに声を聴くのもいいなと思う。でも、会いたいかな。家まで行っちゃおうかな、なんて考えていたら、ふと氷魔が口にする。
『今から貴女の所へ行っても?』
以心伝心?それだけでやたら嬉しくなって頬がゆるむ。
「いいけど、どしたの?」
『いや、今日は雨でしょう?下着も部屋干…』
ガシャン
思い切り受話器を置いた。ロマンチックの欠片もない。とりあえず私は洗濯物を片付けた。

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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