布団がもぞもぞと動くのに疑問を抱いて重たい瞼を上げると、狭い毛布に入ってこようとしている人がいた。
「なにしてんの」
私の目は完全に覚醒。かぶっていた毛布を思い切り引っ張って体に巻きつけた。別に服を着ていない訳じゃないけど、入って来られても困るから。
「可愛いなまえの寝顔を見に」
「見るだけでいいじゃん」
「見たらうっかり欲が出ちゃいまして」
そう言って氷魔は毛布にくるまった私を抱きしめる。優しく腕が回されているのに、間を隔てるふわふわした物がその温もりを伝えるのを阻む。もどかしい。
「なんです?不服そうな顔して」
「馬鹿」
今更入れてあげるなんて恥ずかしくて出来ない。にこにこした氷魔はキスしてきて私が呆けた瞬間に毛布を引っ剥がした。
「わっ、ちょっ…!」
その拍子にバランスを崩して傾いた体を氷魔が抱き止める。体温が熱い。やっぱり男の子なんだなんて抱きしめられる度に思うけれど、また実感する。さっきは伸ばせなかった腕を、彼の首に回す。目を閉じる。安心する。体が倒れ…え?
「さあ、寝ましょうか」
抱きしめたままの形で横になっている。なんか、幸せだからいっか。

それでは皆さんお休みなさい

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テーマ「人外ファンタジー」
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