「星、見に行かない?」
彼女からそんな電話があった。じゃあ、と、街中から離れた開けた所へ来たのがつい一時間前。まだ明るいねなんて言いながら、子供みたいに四つ葉を探し出す彼女を木陰から座って見ていた。

はしゃいでいた彼女の声が不意に聞こえなくなり、俺は顔を上げた。
「…寝たのか」
頭はコクン、コクンと拍子を打って揺れていた。星空を見に来たんじゃなかったのか。まだ空は橙で、これからだというのに。溜め息混じりでふと笑みを零した。早くから騒いでいたせいだろう。
しゃがみ込んで眠る彼女は一番星に気付かない。
「なまえ、」
肩を揺すると此方に頭をもたげてきた。
「全く…」
こいつに関してはつい自分が甘くなるのが分かって、



目が覚めると満天の空が広がっていた。横には彼が、なんだか幸せそうに寝ていた。


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