紺碧の青空。なんて体育祭日和なんだろう。しかし。どうしよう。
「言って、しまった」
「知ってましたって言われたんでしょ?あからさまだったし。そんな今更な…」
「でーもー!」
振られたんだろうな。子供と大人だし、生徒と先生だなんて分かっていたし、「私も」なんて言われる筈もないのは分かっていた。それでもなんだか苦しくて、相変わらず目で追っちゃうのに目を合わせるのは怖い。
「あ、キョウヤくん出番!」
同い年に恋してるっていいなあ。競技をよく見るべく走る友人に引っ張られながら思う。なんであんな人好きになったんだろ。考えてみたら殆ど一目惚れだよな。遠くのテントに先生が見える。あれ、大道寺先生今日はジャージだ。(当たり前か。)似合わな…あ、目が合った。と、思う。いや、そんな訳ないか。自分で考えてて阿呆らしくなって、グラウンドに視線を戻した。カメラを構えた女子たちの先に、緑の髪。あ、こっちは確実に目が合った。
「(がんばって)」
口パクで言ったら、顔を反らされた。分からなかったのかな。周りの女子たちは可愛いな。私も純粋に恋したいだけなのに。無意識に、はあっとため息が零れた。

「なまえ、玉入れだよ!」
「あーい…っぎゃ!」
「ちょ、何やってんの?!」
上の空で駆け出したら盛大に躓いてしまった。擦りむいた膝が痛い。心を紛らわすのにちょうどいいか。自分に嘲笑してしまう。

空回りです、先生。

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