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ランスさんランスさん。私はランスさんのこと好きだけど、ランスさんは私のこと嫌いなんですか?それとも好きなんですか?それとも、ハナっから興味ないんですか?ランスさんランスさん。答えてくださいランスさん。
こんなにも何度も読んでいるのに、彼が返してくれるのは無言だけだった。つまり私はさっきから大好きな彼から無視されていると言うこと。いい加減飽きないのかと自分に感心してしまう。どうして同じことを何度も問いかけているんだろう。どうせ返ってくる答えなんて一緒なのに。


「ランスさんランスさん」
「………」
「無視はよくないですよランスさん」
「…あなたがまず黙ったら喋ります」


なんと。私から“喋る”という動作を取ったら何が残ると思っているんだか。何一つ取り柄としては残らない。もっと立派な人間に生まれたかったけど、こればっかりはどうしようもない。とりあえず黙ってみたけど、ランスさんは無視を続けた。


「ランスさん。言ってること違いますよ」
「今から話そうと思ってたんです」
「…嘘だ」


だけどランスさんは全く気にしてない様子で、私をじっと見ていた。身長差がある私たち。必然的に私が彼を見あげる形となっていた。ランスさんランスさん。そんなにきれいな瞳で見つめないでください。私が爆発してしまいそうです。危険です。
そっと差し出された手は、私の頬をするりと撫でて帰っていく。あぁどうしていつもこうなの。好きと何度も愛の言葉を呟き、囁き、でもあなたは一度も動じない。慌てない。照れてはくれない。なのに、時折見せるあなたの行動で、私の鼓動はもう大変だ。
もしかしたらもうそろそろ夜が動き出したのかもしれません。


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