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最近の天気は続いてどんよりとした曇り空で、気分も憂鬱だった。だから今日、久しぶりに晴れたのを見て少しだけ心が明るくなる。この天気なら、野原へと駆け出し、日向ぼっこなんてきっと気持ちいいんだろうと。そうとなれば行動開始。私は幼馴染みのゴールドの家へと急いだ。
きっと誘っても「独りで行けよ」なんて言われるだろうとは思ってた。だけど意外にも、ゴールドは「いいぜ」なんて。失礼かもしれないけど、私の目の前に立っているのは本当に、私の幼馴染みのゴールドですか?って聞きたいぐらいに。

「ゴールド、君は今日素直だね」
「何だそのしゃべり方」
「ゴールドゴールド。もしかして今日は優しい?」
「…うっせ。黙れよ」
「ゴールドゴールド。ゴールどはさ、」
「何回も名前呼ばなくても聞こえてるから!連呼すんなよ!」

あらら怒っちゃった。やっぱりゴールドはゴールドだ。
イライラし始めてしまったのか、どんどん早くなっていく足に、私は付いていけるかが少しだけ不安だよ。だけど、決して離れることはないって、分かっている。

「やっぱりゴールドは優しいね」
「意味わかんねぇよ」
「だってさ、手」
「…お前だけだよ」

思わず顔が綻んでしまい、振り返ったゴールドと目が合ってしまった。嫌そうな顔して「何笑ってんだよ…」ってまた呆れられてしまったね。だけどゴールドさん。どんなに嫌そうな顔されても、文句言われても、あなたは私と繋いだ手を離そうとしない。
だからあなたと離れないでいられる。
だからあなたの側にいられる。
幼馴染みという君との関係が心地よくて仕方なかった。



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