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それは夏になりかけのある一日のこと。一度でいいからやってみたいと思うことがあった。
4限の体育の後、暑さが身体を支配し、みんながみんな、教室へ一刻も早く教室へと向かっている中一人わたしだけ校庭にいた。今からみんなで楽しく昼休み――にも関わらず、未だに足は校舎の中へとは向かわない。ほんとうに、一度でいいからやってみたいと思うことがあった。たとえばそれは、夏の大会とかに出場した選手たちがすることで、暑い日に部活の後男子たちがやっているようなことだ。何となく、ただ何となく恥ずかしくてできなかったけど、わたしは諦めない。いざ水道に手をかけ、水を出したとき――「あ、名字。お前まだいたのか」――クラスメイトの倉間君の声が聞こえた。


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